言語を学ぶとき、最初に身につけなければいけないのが、「ありがとう」「お願いします」といった言葉
これは、母国語を覚える子どもたちも、第二言語を学ぶ大人も同じ
コミュニケーションの基本マナーとして、誰もが最初に覚える大切なフレーズです。
では、この基本フレーズの次に、大人が学ぶべきことは何だと思いますか?
私は、ずばり「相槌(あいづち)」だと考えています。
相槌(あいづち)上手になろう

「わかるけど話せない・・・」そのモヤモヤは、成長の証
自然な言語の習得は、例外なく「聞く」ことから始まります。
周りの大人の会話をじっと聞き、膨大な情報をインプットし続ける赤ちゃんが、ある日突然「マンマ」と話し始めるように、私たちの言語学習も「インプット」を先にした方がスムーズです。
英語学習を進めていると、多くの人がこんな段階にたどり着きます。
「流暢には話せないけど、相手の言うことは大体わかる」
これは、あなたが着実に成長している証
インプットがバケツに溜まってきている証拠です。
ですが同時に、「わかっているのに、言いたいことがすぐに出てこない」というもどかしさを感じる時期でもあります。
でも、ここで焦る必要はまったくありません。
なぜなら、あなたは今、コミュニケーションにおける「最強のポジション」に立っているからです。
なぜ「聞き上手」は最強なのか?
考えてみてください。
最近本屋さんに行くと、「聞く力」「傾聴」といったテーマの本がずらりと並んでいませんか?
そこには、こんなことが書かれています。
- 自分ばかりが話しすぎるのは、良いことではない。
- 人は誰しも、自分の話を真剣に聞いてほしい生き物である。
- 自分の話をしっかり聞いてくれる人に、人は好感を抱く。
これは、言語や文化が違っても変わらない、人間の本質です。
あなたがネイティブスピーカーと話す機会があったとき、無理に「何か面白いことを話さなきゃ!」と意気込む必要はありません。
ビジネスの交渉の場でないのなら、むしろその気負いは一旦横に置いてみましょう。
適切なタイミングで、適切な相槌を打ちながら、相手の話に耳を傾ける。
それだけで、相手は「この人は私の話をちゃんと聞いてくれる」と心地よくなり、あなたは「何か話さなくっちゃ」というプレッシャーから解放される。
まさに、Win-Winの関係
この「聞き上手」な関係が続けば、あなたが「これを話したい!」と思ったとき、相手はきっと、喜んであなたの言葉に耳を傾けてくれるはずです。
たとえ、それがつたない英語だったとしても
「聞いてますよ!」を伝える、相槌という名のサイン
ただ黙って聞いているだけでは、相手を不安にさせてしまいます。
特に私たちノンネイティブの場合、相手はこう思うかも💦
「この人、本当に私の話を理解できているのかな?」
せっかくリスニング力が上がってきているのに、それは勿体ない!
だからこそ、「相槌」が重要になります。
相槌は、「あなたの話をしっかり聞いて、理解していますよ!」という、相手への大切なサインなのです。
相槌のベストな学習法は「動画」にあり

では、どうすれば自然な相槌が身につくのでしょうか?
私の一番のおすすめは、映画や海外ドラマなどの動画を見ること
最初はセリフが完璧に聞き取れなくても大丈夫
まずは、登場人物たちに注目してみてください。
- どんなタイミングで相槌を打っている?
- どんな声のトーンで言っている?
- どんな表情で反応している?
“Really?” “No way!” “Uh-huh.” “That’s great.” “I see.”
こうした短いフレーズが、どんな場面で、どんな感情を込めて使われているのか。
それを観察しているうちに、あなたの中にも自然とリズムが染みついていきます。
そして、オンライン英会話で、実践練習をしてみてください。
あなたの口から自然と相槌が飛び出すようになってくるはずです。
英語を話す自分の方が、好きになるかもしれない
ここからは少し余談ですが、私自身の体験を・・・
実は私、日本語で話す自分よりも、英語で話す自分の方が「マナーが良いかも・・・」と感じています。
日本語だと、つい相手の話を遮って自分の話をしてしまったり(話題泥棒💦)、求められてもいないアドバイスをしてしまったり・・・

あ〜自己嫌悪・・・
しかし、英語で話しているときは、第二外国語という「もどかしさ」が良い足かせとなって、自然と聞き役に回れるのです。
結果として、コミュニケーションがよりスムーズに進むことさえあります。
完璧に、綺麗に話せることだけがゴールではありません。
コミュニケーションという観点からは、話しすぎることよりも、良い相槌が打てる方がいいかもしれない
そう信じて、焦らず、気楽に英語学習を続けてみてください。
きっと、今よりもっとコミュニケーションが楽しくなるはずです。